花とゆめ

1 好評発売中!!
月2回 5日・20日発売

月2回 5日・20日発売

HMC 花とゆめまんが家コース 成績発表

第526回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞+新人賞1万円

1位「四ツ葉の端っこ」茨城県・雪原しづき(26歳)

投稿1回目

あらすじ

「未芽衣ちゃんって何言ってるかわからない」小学生の頃そう言われたのがきっかけで、人と話すことが怖くなってしまった未芽衣。高校に入学した今も、それが原因で友達ができない毎日…。そんなある日、前の席の一之瀬に突然話しかけられる。口下手な未芽衣とは真逆で、思った事をすぐ口にするタイプの彼。でも思ったより話しやすくて?

とにかく絵柄が抜群に可愛いです! 女の子特有の華奢な体つきや、瞳の輝き、髪の毛の繊細さなどとても少女漫画らしく描けています。対して男の子も、首筋や手など「男っぽさ」が出せるパーツをうまく使って、男の子特有の色気を出せています。ただ、女の子に比べて男の子はコマによって顔の雰囲気が変わってしまう傾向がありますので注意しましょう。トーンの使い方も今時でセンスが光りますし、画面全体から出る「可愛い」雰囲気が武器になると思います! 主人公は口下手ながらも卑屈ではなく一生懸命で応援したくなる描き方が◎。ラストも目立つ大ゴマを用意できたのは絵柄の良さも活かせますし非常に良かったのですが、メイン二人の関係性が大きく変わらなかったのは少々残念。もう一つ男の子のキメシーンがあると読者の満足度も上がるので、ラストの盛り上げをより意識してみましょう。

第525回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「キミとの境界線」奈良県・和樂桜夜(25歳)

投稿4回目

あらすじ

ゲームが好きで根暗な幼馴染・遊真を毎朝起こすのが日課の鞠音。
抜けているようでさりげなく優しい彼を知る彼女は、友達から「遊真といると鞠音の格が下がる」と言われても彼と一緒にいることをやめない。ある日、人に好かれる方法を遊真から聞かれた鞠音。複雑な気持ちになりながらも乙女ゲームのキャラを参考にしたら、と助言をし…?


瞳や髪の毛、服のシワなどの人物描写はもちろん、背景や効果に至るまできっちりと描き込んだ画面に気合を感じます。キャラの表情も豊かなので、話を追っていて楽しいですし、自然に感情移入できました。逆に言うと抜きのコマが少ないので、際立たせたいコマがいまいち目立たないというデメリットも。特に後半でお話のヤマ場が近づいてきたら、コマを少なめにし、効果も選んでメリハリを意識しましょう。鞠音の人気者なのにそれを鼻にかけないまっすぐさや、車の水はねから守ってくれる遊真の意外な優しさなど、キャラの魅力的な部分を読者にわかりやすく、かつ出来るだけ冒頭に近いページで示しているのも好印象。ただ、少女まんがなので男の子のかっこいい部分がもう少し見たい…というのが本音。後半も鞠音の見せ場が多いので、「変わること」を意識した遊真の頑張る姿も入れてみては。

第524回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「君は知らない」福岡県・椎名にいな(27歳)

投稿5回目

あらすじ

入学早々ハーフのイケメンがいると騒がれた隣の席の西鬼君は、テストの成績もトップでクール。めったに笑わない彼の無表情をいかに崩すか…そんな戦いを挑み続けている主人公・梅子。なのにいつも先に笑ってしまうのは自分の方。勝利の正の字もどんどん彼側に溜まっていく…。一方で実は西鬼君は高校デビューを頑張ってしまっ
ただけの陽気な男だった! 梅子と普通に喋ってみたいという気持ちが募ったその時、出た一言は?

デフォルメの強い絵柄が可愛く、センスが光っています。少し間の抜けた可愛い表情
がストーリーと合っていて素敵でした。トーン使いも今時で可愛らしく華やかです。一方で基礎的な画力はレベルアップが必要です。服のシワや身体の構造などのデッサンをしっかりしましょう。背景ももう少し頑張ってみてください。高校生らしい一生懸命な二人のキャラはとても微笑ましく、嫌味がないので読んでいて自然に応援したくなります。そのセンスも素晴らしいです! 西鬼君のキャラの付加価値を盛り上げるだけ盛り上げて、実は関西弁の陽気なキャラだった…という展開も落差があり面白かったです。ただ、その後のオチが弱かったのは残念。あるあるにならないよう気を付けつつ、しっかり盛り上げましょう。

第523回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+新人賞1万円+副賞

1位「アメのち晴れ」茨城県・ちあき(25歳)

投稿1回目

あらすじ

地獄で働く鬼たち向けの食堂に勤めているアザミ。店の常連の獄卒の鬼、コノエのことが気になる毎日。彼はいつも変な味のアメをくれたり、アザミのことを子ども扱
いしてからかったりと交流はあるものの、実はその他のことはよく知らない…。そんなある日、綺麗な女の人と可愛い男の子と家族のように仲良く歩くコノエを見かけ
てしまったアザミ。ショックで思わず彼を避けてしまう。不審に思ったコノエが追いかけてきて…!?

絵柄のレベルがとても高く、可愛かったです。特にキャラの表情が素敵で、笑った顔
や恥ずかしがっている顔などそれぞれ思わず感情移入してしまうほど上手く描けていました。髪の毛の線も丁寧で◎。せっかく絵が達者なので、それを活かして見開きや大ゴマを大胆に使うページを作ってみるのもオススメです。また「地獄の食堂」という設定自体は面白いのですが、あまり活かしきれてない印象です。キャラの気持ちやエピソードが地獄の世界観でなくても成り立ってしまうものばかりだったのが惜しいです。好きな人が自分のことをどう思っているのか…という悩みは共感しやすいですし読みやすさはあるのですが、ファンタジー設定の場合、その世界観でしかできないことを積極的に取り入れてみましょう。

第522回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「あの手、この手、」広島県・嶋くら子(28歳)

投稿14回目

あらすじ

初めての彼氏が出来てひと月。マイペースな彼・悟と手を繋ぎたいユウは、自分からリードしようと勇気を出すものの「準備があるから待って」と言われてしまう。緊張して心の準備を…?と思いきや、次の日彼はなんとマジックハンド越しに手を繋いできた!
それからも直接手を繋ぐことをなぜか拒否されるユウ。原因は自分の強すぎる握力にあるのでは?とどんどん不安に…。実は彼は自分の手汗のすごさがコンプレックスで…!?

なぜ手が繋げないのか、先が気になる話運びが上手で、思わずページをめくらせる力
があります。特に最初のマジックハンドで手を繋ぐシーンはインパクトが強く、印象に残る掴みができていました。逆に出オチにならないよう、出だしよりも更に主人公や相手役の個性が出るような展開が用意できるとより良いです。基本の画力はあるのですが、絵柄の古さは気になるところ。特に表情の作り方のクセが強いので、可愛くて面白い、少女漫画らしいデフォルメができるよう研究してみましょう。画面全体のメリハリをつけるように意識するのもオススメです。大ゴマでのアップの顔はもっと大胆に大きくしてみると、ヤマ場の印象もより残りやすくなります。演出力を上げて、魅力的な画面作りを心がけてみて!

第521回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「麗しの彼」香川県・美白(21歳)

投稿4回目

あらすじ

恋愛小説が好きでいつか運命の人と出会えることを夢見る寧々が、ある日ボールをぶつけてしまった相手…それは学校一のモテ男と言われる飛鳥先輩だった。見た目はもちろん麗しく、性格も優しい完璧な彼。しかし彼の隠された二面性を目撃してしまった寧々は、秘密を黙っておくよう脅されてしまう。関わりたくないと思う寧々だったが、素の彼を知れば知るほど魅力的に感じるようになる。ある日彼から突然手紙を受け取って?

「麗しの彼」を表現するのにぴったりな繊細で綺麗な絵柄です。描線も細くて美しく、少女漫画向きです。女の子の表情も魅力的で、特に伏し目が可愛くて印象に残りました。もちろんヒーローも、いい意味でやや女性的な美しさが感じられ、色気のある仕上がりになっていました。トーン使いはしつこくなく、それでいて華やかなのが今どきで好印象でした。設定やストーリー運びは少女漫画に求められる王道である点は良いのですが、既視感は否めないので個性が欲しくなるところです。王道の設定の中でも、なにか一つキャラを立てたり、自分らしいセリフ回しをしたり、ギャップを作ったりなど工夫をしてみましょう。特に物語の印象を決めるヤマ場やラストにオリジナリティを出せるとベストだと思います。

第520回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「好きを知る日」茨城県・結人I'M(24歳)

投稿0回目

あらすじ

誕生日プレゼントに自分が何が欲しいかも思い浮かばない程、「好きなもの」が無く何事にも無頓着な主人公・亜貴。小さな頃から弟2人の世話を任され、彼らを優先するあまり、自分で何かを選ぶことができなくなってしまったのだ。そんな彼とは対照的に、好きなものがはっきりしている女友達・きいち。こんな自分のことを「他人想いで優しい」という彼女のことが珍しく気になる亜貴だったが、その理由にある日気づいて…?

細くて綺麗、かつ強弱のある線で描かれる絵柄が魅力的です。輪郭や体格、瞳など男
女差が出れば出るほど萌えに繋がりやすいものですが、それもきちんと描き分けられています。特に女の子の髪の毛が丁寧でとても良いです。背景の描き込みはしっかりめですが、もう少しトーンを貼って画面全体が華やかにできると、より一層少女漫画読者のツボを押さえられると思います。好きなものがない主人公が、やっと「きいちのことは好き」と見つけられるという、物語のテーマもはっきりしていて読みやすく、まとまっています。反面、ストーリーの流れや設定重視でキャラクター自体の個性は薄味に感じられたのは改善ポイントです。今回のお話なら特にヒロインの方にもう少し特徴をつけられるとベターでした。

第519回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「どうにかなる日々」滋賀県・たなかよよ(20歳)

投稿2回目

あらすじ

就職活動真っ最中の男子大学生、水原君。ある朝起きたら、体が小学生位になっていた。彼女であるあゆこは楽観的に構えているが、医学部の友人からは「心理的な要
因で思い当たることは?」と言われる…。実はうまく進んでいない就活を、あゆこには言えないでいた。二人でファミレスにいる時、同級生と出くわし、水原は大手ばかり狙い全敗している、と言われてしまう…。翌日、更に体は縮み赤ん坊に…。そこにあゆこが…!?

「朝起きたら 体が子供になっていた」という、急に幼くなるという展開ながら、スムーズにお話に入れる冒頭になっています。子供になったことに驚きつつも、普通に大学に行き、彼女に事情を話したり…と、ある意味淡白に進むのですが、それが絵柄と合致し違和感なく読ませてられています。実はプライドが高く、就活の圧力が引き金だったとわかるシーンも、主人公が子供の姿で涙することで、より読者に切なさを感じさせる効果が出ています。淡々と見せつつも感情の波を持たせていて、たなかさんの年齢以上の力量を感じます。惜しいのは画面作り。人物サイズにメリハリがなく、全体的に小さめに描いていることで単調に見えがち。感情の山場は大ゴマ・寄りの構図にするなど、意識してみて下さい。

第518回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「私のきらいな美知花ちゃんのこと」福岡県・ススキノ海(34歳)

投稿3回目

あらすじ

高校生の真衣には、友達が一人だけいる。友達の美知花ちゃんは、可愛いけど、すぐ人を頼ったりお金を借りたり…。彼女が休んだ日は、悪口に花が咲いた。その日から真衣は他のグループにいるようになり、美知花ちゃんとの仲は終わったかと思うように…。ある日、放課後出かけようと誘いが来たが、それは彼女の今の友達の都合が悪かったから…。「真衣ちゃんより大事な子ができた」という彼女を『大きらい』と思う真衣だけど…。

女子同士のセンシティブな好悪の感情を見事に描き出した作品! 複雑な心情をモノローグだけに頼らずエピソードを絡め16Pで完成させたネーム力は素晴らしいです。自分とは対極で、手放しで好きになれない相手への「嫌」という感情を高める中盤の後、美知花ちゃんの退学。そこで自覚する、彼女のデリカシーがなく見えた部分に、救われていた自分。事件がありそれが感情の機微に繋がるという、「エピソードによって気持ちが動く流れ」を上手く作れています。描線も繊細で、瞳も髪も綺麗です。ただ、画面の白さは惜しい所。演出になる場合もありますが、全編を通じて白いと、「効果」にならないことも。単調に見えないよう、コマとコマの隙間を生かすなど、画面全体の印象を考えてみて下さい。

第517回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「終わりに拍手を」宮崎県・よだか(21歳)

投稿2回目

あらすじ

「大好きな幼馴染に、ふれるだけのキスをした」。
男子高校生同士、しかも幼馴染は、自分の姉のことが好き…。困惑した幼馴染はその日は部屋を去るが、後日ちゃんと、「お前の姉ちゃんとつき合ってる。気持ちには答えられない」と真摯な返事をくれる。その時の彼の悲し気な表情を見て、「冗談に決まってんじゃん」と言ってしまう主人公…。そして、「お前がそう言うなら」と受け止めてくれた幼馴染…。そして時は過ぎ――。

部屋の中、無言のキスシーンから始まる冒頭は、読み手に緊張感を与えつつ展開への期待を持たせており、とても良いです。また、幼馴染がちゃんと返事をする→主人公が告白を冗談にする→主人公の本心をわかりつつ冗談として受け止める…という流れは、互いを親友として信頼している様子が上手に表現できてます。そこでの細かな表情も◎! 失恋の切なさを読者により共感させるには、幼馴染のどこが好きだったかなど、恋心の具体性を見せると効果的。叶わない思いを感じる分悲しみが増します。ラストは、よだかさんならではの台詞がほしかった所。絵柄はペンタッチの硬質さはあるものの、雰囲気・色っぽさがあります。ペンの硬さを取り、ツヤベタを綺麗にすると、魅力が増す画面になります。

第516回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「スーパースター」山口県・福本昌江(21歳)

投稿6回目

あらすじ

小学生の頃から一緒の橘さんと光井君。昔、上級生に立ち向かった光井君に対し、橘さんは「親分」と呼ぶ間柄。その上級生とのケンカの時、光井君の助太刀に入ったことで頬に大きな傷を負った橘さんは、今でも同級生から傷を揶揄されることが…。そんな彼女に告白をした光井君だけど、「それは怪我への同情」と突っぱねる橘さん…。彼には見上げ続ける星のような存在でいてほしいと告げる橘さんに、光井君は…!?

告白シーンから始まり、読者の期待感をつかむ演出が○。また、背景は丁寧に描き込まれていて、構図も相まって好印象です。主人公二人の共有の思い出が、現在の気持ちにつながっているドラマも読み手の心に沁みます。過去の出来事が二人にとって大事であり、そこから絆も感じられますが、二人の現在の人物像が読者にとって曖昧な印象のまま。主人公の頬の傷を同級生がどう思っているかはわかるのですが、主人公のパーソナリティまでは感じ辛いところ。光井君も、慕われている人だとは感じますが、彼がそう思われている具体性を描くと、読者がよりお話に入りやすいです。お話は、互いの気持ちを明かしてラストになるので、もう一歩二人の感情に踏み込んで終われると、満足度があがります。

第515回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「千の紅葉と万の華」兵庫県・松風はるか

投稿2回目

あらすじ

絹子の曽祖父は、明治を代表する日本画家。彼の描いた絵「紅葉鶏図」を見てから彼のような画家を夢見ているけれど、芸術展に作品を出しても、絹子の絵は選外になるばかり…。落ち込む絹子の相談相手は「紅葉鶏図」の付喪神・那智。
絹子を応援してくれている那智に、絹子は「賞がとれる絵が描きたい!」と泣きだして…?

圧倒的な画力と華やかな絵柄の扉絵が目を引いた作品!日本画家を目指す少女の絵が、松風さんの高い画力で見事に表現されています。絵柄はやや古いですが、細い描線で描かれる髪の毛や瞳が美しく幻想的。また付喪神・那智の衣装も麗しく、〈人ならざる存在〉であることを一目で感じられるデザインになっています。主人公キャラはひたむきで一生懸命。応援したくなる素直さを感じさせてくれます。今後の課題はネタの引き出し。前回描いた作品と同じキャラ配置(人外×才能に悩む少女)、同じストーリー展開(彼を思い浮かべた作品で成功する)で新鮮味がありません。審査は「投稿者が前回から成長しているか?」も見ています。新しいネタでぜひ挑戦を!

第514回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「おねぇタヌキの恋愛事情」宮城県・輝(19歳)

投稿2回目

あらすじ

遠藤美香は隣のクラスの葉山海狸に狸の耳と尾が生えているのを偶然目撃してしまう。
「そういう趣味?」と質問したところ「趣味じゃないわ
よ!」と彼は狸に変身! よくよく事情をきくと、好きな子と両想いになりたくて、人に化けつつ先生に暗示をかけて入学したという。彼が恋い焦がれる女子との仲を手伝ってと頼まれ!?

隣のクラスの男子が「狸だった!」という気になる冒頭から始まる楽しい作品。とくに狸のキャラクターが外見と中身ともに可愛く、この狸の恋を応援したい!と素直に思わせてくれました。狸の絵柄は、ふわふわの毛並みを表現するために細かな斜線で描きこまれていて丁寧で繊細。狸のキャラはころころと変わる表情が雄弁で、切ない心情がストレートに伝わってきました。惜しいのは、主人公が狸の「恋を手伝う」といったものの傍観者になってしまい、クライマックスで活躍するシーンが少なくなってしまった印象。今回は狸の恋をじっと見守る立ち位置でしたが、次回は主人公が相手役に働きかける(=読者が一緒に体験できる)お話に挑戦してみてください。

第513回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+新人賞1万円+副賞

1位「踏み出す一歩」和歌山県・真嶺(24歳)

投稿1回目

あらすじ

小さいころから幽霊が視えた凪。
ほとんどの幽霊に害はないし怖いと思ったことはない。ある日、旧校舎に幽霊が出たという噂をきいた凪は確かめに行き、そこで少女・
春子の霊を見つけてしまう。しかも「春子が視えてるんですよね。僕たちに力を貸してくれませんか?」と上級生の男子に協力を依頼され、一度は断るけれど…!?

「自分は何もできない」と落ち込む凪が、幽霊だと信じられないぐらい明るい春子と出会って、恐れずに他者とかかわってみようと踏み出すまでのお話。扉の絵柄がとても可愛くて引き込まれます。とくに描線が細く丁寧で、ゆるやかに広がる髪や翻るスカートなど物の質感表現が美しいです。お話はよくある「霊感少女・ミーツ・幽霊もの」ではありますが、少女の方が暗くネガティブで、幽霊の方が明るくポジティブという組み合わせのギャップが面白いです。また、幽霊の願いを叶えながら主人公の悩みも解決していくので読後感がとても爽やかでした。今回は主人公よりも幽霊&男子が目立ってしまったので、次回は主人公がメインとなる話を読んでみたいです。

第512回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「21gの救済」東京都・はやむらころも(22歳)

投稿13回目

あらすじ

死神派遣会社のバジルは同じ死神のサラトガと一緒に、幽霊に天国逝きを進める仕事をしている。
今回は没後二百年、庭園にいる地縛霊レイラ・フィオルドを迎えに来た。天国逝きをすすめるがレイラは断ってしまう。レイラを迎えに
来るといった、待ち人に会いたいからという。
バジルはレイラの願いを叶えると約束して…?

幸せに導いているようで、実は絶望に落とし込んでいたというオチが効いていて、二度読むと違った印象を与えてくれる作品。「死神だけど天使になりたい」というアンビバレンスな思いを抱えた死神のキャラが面白いです。死神バジルとサラトガの、本心を隠した軽妙なやりとりがここちよく、この二人のキャラに興味を抱かせてくれます。画力も高く、ページのめくりと引きの演出も上手いです。ただ、途中まで誰が主人公で、何をテーマにしたお話か分からずに進行するので、全体を通して「主人公がどういったクライマックス(感情)を得るのか?」を意識したストーリー作りをしてみて。また、絵のクセが強いので、男子キャラの輪郭・目鼻・髪型は要改善を。

第511回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+新人賞1万円+副賞

1位「年下の密かごと」茨城県・いちるの望(25歳)

投稿1回目

あらすじ

「この学校には忍者がいる」と信じている、忍者同好会の先輩。毎週火曜と
木曜放課後の一時間、忍者を探すために校内を一周している。
しかし同好会の後輩は、「忍者なんてまだ信じてるんですか?」とナマイキな口をきいてくる。
同好会ができて1年、忍者の生き残りがいると信じて疑わない先輩だが、実は後輩の正体は!?

「忍者がいるかどうか探す」のが目的の話ですが、すぐに冒頭で後輩=忍者であることが分かるため、
読者は主人公がいつ後輩の正体に気付くのかハラハラしながら読めるストーリー構成になっていました。
繊細な描線で描かれるキャラクターは生き生きとしていて、表情豊か。女子の絵柄は可愛く、
男子の絵柄は格好良く描き分けができています。また、画力が高く、カメラアングルも多彩。
男子の活躍シーンや女子の恋心が動くシーンなど、大きく見せるべきシーン(=読者が大きく
見たいシーン)を分かっていて、画面の演出力に長けています。
面白いアイディアを可愛い絵柄&高い画力&いきいきしたキャラ&続きの気になるストーリーで
まとめあげ、文句なしの1位。

第510回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「星のおくりもの」静岡・まなつ(20歳)

投稿2回目

あらすじ

「願いなんて叶う方が間違いだ」と4歳にして悟ってしまった主人公。そん
な彼を待ち伏せして、毎回話しかけてくる不思議な女の子に出会う。
あるとき七夕祭りの音が聞こえてくる。七夕を知らない彼女に
「お星さまに願いを叶えてもらうイベント」と教えると、彼女は「じゃあ君は私にお願い
ごとをするといい!」と言い!?

宇宙飛行士になりたい少年と、「星」となのる少女の出会いを物語にしようと考えたそのアイディアがすごい! 
不思議な少女を普通ではありえないほど長い髪にしたり、中盤で少女の恐ろしい本性を垣間見せたりなどして、
彼女が「人間ではない存在」であることに、うまく説得力を持たせています。
また、画面構成に高いセンスを感じる作品でした。二人だけで話している単調なシーンでも、カメラアングルが多彩で
飽きさせない演出ができています。お話は、最後まで少女の正体が謎のまま終わるので、やや消化不良感が。
また、なぜ主人公の元にやってきたのか?などにも理由が示されると良かったかも。
絵柄は男の子も女の子も可愛いので、ぜひこの方向で磨いて!

第509回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「面食い主人公は恋を知らない」神奈川・野澄那結多

投稿2回目

あらすじ

少女漫画みたいなイケメンとの恋に憧れていた上坂さん。ある日やってきた
転校生のイケメン・加賀くんに一目ぼれして、勢いで「好きです」と告白してしまう。すると
「初対面なのに好きとかありえないから」と冷たくあしらわれてしまう。酷い言い方に傷つく
上坂だが、やっぱり格好いい加賀くんを目で追ってしまい…?

十代の作者らしい、等身大の爽やかなラブストーリー。
上坂さんと加賀くんのやり取りがとても自然なテンションで描かれているので、
読み手がキャラの気持ちに入り込みやすいです。また、コマ割りと台詞運びがとてもスムーズで読み
やすくて◎。カメラアングルを駆使して、飽きさせない画面づくりが上手いです。絵柄も可愛くて好印象。
さらにストーリーは、冒頭で一目ぼれしていた主人公が、ラストでは「よく知らない人に告白されても
好きになれない」と気づく流れになっていて、オチがしっかりついていました。ただ、共感しやすいス
トーリーですが、目新しさがもう少しほしい印象。あなたにしか書けないセリフ、シーンを
一つでいいので追及してみて。

第508回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+新人賞1万円+副賞

1位「雨上がりのワルツ」神奈川・宮沢京可(24歳)

投稿1回目

あらすじ

とある雨の日、下校しようとして傘を忘れたことに気づいた白石さん。そこにたまたま現れたクラスメイトの清田くんの傘に入れてもらう
が、大雨でびしょ濡れになり二人で雨宿りをすることに。初めて喋る清田くんに緊張する白石さんだったが、ふとしたきっかけで周りと
上手く話せないという自分の悩みを打ち明けて…?

少女漫画らしい可愛い絵柄がまず目を惹く作品。画力も高く、細かい小物や背景までしっかり描けていたのも〇。
また初対面の男女、しかも経過時間は数十分程度にも関わらずしっかりとキャラの気持ちの変化や山場が作れており、ネーム力
を感じました。嫌味が無く、素直に応援したくなるキャラが描けるのも強い武器になると思います。課題は引きの弱さ。雨が
上がるまでの少しの時間を切り取るというのは面白いのですが、それだけでは物足りません。ヒーローも優しいイケメンという
以上の印象が無く、キャラとして弱いです。基礎力は非常に高いので、次作以降は設定でもキャラでも、もう少し読者が興味を
持つような要素を入れるという事を意識してみて下さい。

第507回 HMC 花とゆめまんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「私の幽鬱な日常」熊本・ちどり(20歳)

投稿2回目

あらすじ

普通の人には見えない、いわゆる「幽霊」が見えてしまう高校一年生・倉田ゆかり。オカマ幽霊から猛烈アプローチを
かけられている友人・日高ショウも、もちろん“見えない”側の人間。そんなショウにある日突然告白されるが、自分に
霊感があることがバレたらどうせ彼も離れていってしまうと思い、すぐにОKできず…?

綺麗な絵柄と安定した画力が光る作品。背景もしっかり描けています。筋肉バカや露出狂、オカマなどの様々な
幽霊が出てくる冒頭も、お話への期待を高める引きになっていました。ただ、要素を詰め込みすぎてお話が散漫になっている
印象。サブであるはずのオカマ幽霊のエピソードにページを割きすぎています。ゆかりとショウはどういう関係で、なぜお互
いのことが好きなのかという部分を読者にしっかり伝えて欲しかった。また、ゆかりがこれまで「幽霊が見える」ことでどの
ような扱いを受けてきたかも描かれていないため、シュウが受け入れてくれたことの嬉しさも伝わってきません。短いページ
の作品の場合、動かすキャラクターは最小限に絞りましょう。

第506回 HMC 花とゆめまんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「魔法使いの禁忌」岐阜・天音豆太(27歳)

投稿5回目

あらすじ

メイクやコスメに詳しく、その腕前から「魔法使い」と呼ばれる有働くんは、自分の頭の中で思った通りの色が表現できないことに悩んでいた。そんな折、たまたま校内で見かけた美術部の三苫さんの絵の色遣いに惹きつけられ、彼女に弟子入りすることを決める。突然美術部にやってきた学校の有名人に戸惑う三苫さんは・・・?

題材もお話も、とても少女漫画らしいお話。有働くんにも三苫さんにもキャラ付けをしようとしているのは◎。また、最後の三苫さんの表情はとても良く描けていました。ただ「魔法使い」と呼ばれている有働くんが、実際に女の子を変身させたりメイクの勉強をしたりするシーンがほとんど無く、何がすごいのかがあまり伝わってきません。ラストで三苫さんを変身させているシーンも変化が分かりませんでした。彼のすごさを読者にしっかり見せた上で、せっかくならメイクやコスメの豆知識を入れ込む等すると説得力が出たはず。文字の説明だけでキャラを作らないように気を付けて。また総評にもありますが、予定調和になりすぎぬよう自分の個性を磨きましょう。