花とゆめ

20 好評発売中!!
月2回 5日・20日発売

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HMC 花とゆめまんが家コース 成績発表

第548回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金15万円+副賞

1位「左手にさよなら」愛知県・はなだ愛花(24歳)

投稿1回目

あらすじ

女子高生の牧野は、物理教師の守屋が好きで、物理準備室に勉強を教わりによく訪れていた。並んで座るとき、牧野は右利き、先生は左利きで手同士が近く、頭を撫でられたりもした。牧野は先生の左手が好きだった。先生が結婚すると知った牧野は、準備室に来るのを辞めると決めた。結婚指輪をつけるようになった左手を見て、牧野が思うことは…。

演出のレベルが高い作品でした。たとえば、牧野が先生を好きなことがハッキリ文字にされるのは話の中盤ですが、2人の距離が近いときの効果トーンや、先生を見つめる牧野の横顔のコマを挟んだり、表情で彼女が先生に恋をしていることが言わずともわかるように描かれています。登場人物の心情が、セリフ等文字に頼らず表現されています。また、今回のお話では、特に左手の使い方がお見事でした! 右利きと左利きだから並んで勉強を教わるときに距離が近くなる…というエピソードはリアリティがありました。また、その左手が好きだったのに、そこにはまる結婚指輪で失恋を確信する演出は切なさがよく表れていてお見事です。ただ、背景の入れ方や人体の描き方、ツヤベタの入れ方など、まだ描き慣れなさがあり、成長の余地を感じます。どんどん作品を描いて、レベルアップしていってください。

サカノ景子先生からのコメント

テーマとタイトルがハッキリとしていて最初から最後までブレることなく16Pにまとめられていて、すいすいと読ませて頂きました。雰囲気のあるコマ割りと見せたい部分がしっかりと描かれている点が特に素晴らしいです! ただ少し線とツヤベタの粗さが気になってしまったので、線に強弱をつけて丁寧に仕上げてみてください。雰囲気に合った美しい線が見つかるかと思います!

花とゆめ編集長からひとこと!

左利きの相手の左側にあえて座る…という主人公の行動の甘酸っぱさに共感! 冒頭の掴みとしてはいいですし、その左手に結婚指輪が…という展開もモチーフが一貫していて、切なさを上手に表現できていました! 絵柄が古めなので、絵の研究も是非!

第547回 HMC まんが家コース 優秀賞 賞金20万円+副賞

1位「深夜零時のコンビニで」京都府・朝ひおり(23歳)

投稿1回目

あらすじ

主人公のあかりはコンビニで深夜バイトをしている。仕事中の一番の楽しみは、自分の推しアイドル、榛名くんがたびたび買い物に訪れること。もともと感情を表に出すのが苦手な上に、推しが目の前にいるという緊張感で、彼の前でいつも硬い表情しかできないことに悩むあかり。ついにある日、榛名からそのことを直に指摘されてしまうが…?

ネーム、画力、演出、全てにおいて高レベルの作品。審査員一同、満場一致の1位でした。画力に関してはプロに近いレベルです。ネームは非常に読み易く、細かいエピソードに至るまで意図が明確で、よく練られたものであることが伝わります。何よりも素晴らしかったのは、キャラクターの描写。等身大の主人公で感情移入がしやすく、彼女の推しへの愛も手に取るように伝わります。それによって、男の子の魅力やかっこよさが、より強く読者に響いていますね。強いて言えば、気になるのはストーリーの面。ストラップのくだりが過去の2人の接点として描かれますが、その話を聞いた彼女がどう救われたのか…がやや分かり辛いです。これでは、単純に「推しが自分のことを知っていてくれた」というだけの意味合いに見えてしまうかと。主人公のコンプレックスが解消される様は丁寧に描けるとベターです!

安斎かりん先生からのコメント

面白かったです! ニヤニヤしながら読みました! しっかり実力とサービス精神のある方なので、今後の商業誌における漫画作りの話を。どんな読者さんが読むのか想定して、その人が読んでいて何を楽しめる漫画なのか、を常にこれからも意識して描いていってください。そこを見失わなければきっと大丈夫だと思います。担当さんと一緒に頑張って下さい!

花とゆめ編集長からひとこと!

初投稿ながらも高い画力に大変驚きました!この画力で表情をしっかりと描くことにより、説明はなくともどんな人物像か読者に伝わる理想的な作り…。今度は長めのストーリーに挑戦して、さらなる感動作を目指してください。楽しみにしています!

第546回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金15万円+副賞

1位「ガリレオ衛星」福島県・真白みや(17歳)

投稿1回目

あらすじ

男子高校生・伊織のクラスに転校してきた三木。人気者の彼は伊織にも優しく接するが、クラスメイトは止める。それは、伊織の恋愛対象が男性だからだと言う。伊織は二度と太陽のような人気者に憧れないので逆に誰も自分に関わってほしくないと思っている。実際、他人を排除するように振舞う伊織だったが、三木の言動に心を揺らされており!?

雰囲気とリズムのいいモノローグに惹かれました。口数が少なく、他者と関わるシーンが少ない主人公でしたが、モノローグやセリフ回しのセンスで文字を読まされている感なく、心情がよく伝わってきました。自らを「衛星」と称して、人間関係を天体に喩えることがストーリー内で一貫性があり、モチーフをうまく作品に落とし込めていました。また、演出力も高かったです。特に扉ページはタイトルをよく表現できていました。1ページあたりのコマ数は少ないものの、構図や演出に工夫があり、飽きさせない画面作りをしようという姿勢が伝わってきました。ただ、見せ場となるシーンや表情には目を惹かれるものがある反面、少し雑に見えてしまう部分もありました。線をきれいに引く、繋げるなどのペン入れを意識したり、他作品のトーンワークを参考にしたりなどでさらに魅力的な絵を研究してください。

幸村アルト先生からのアドバイス

まず絵に色気があって目を惹きます。トビラや演出もセンスが高い!と思いました。全体的にしっとりした雰囲気がありつつ、冒頭の主人公のモノローグがラストではプラスの感情で回収されていてまとまりよく読めました。ただ主人公のモノローグだけでストーリーが自己完結しているので、主人公の行動や感情が能動的なお話も読んでみたいです!

花とゆめ編集長からひとこと!

比喩表現がお上手! キャラが星に喩えられていて人物像が飲み込みやすく、さらにそれが作品全体に情緒を生み出しています。目の色の話で締めますが、色がない1色原稿では伝わらないのが残念。色も何かに喩えるなどできたら良かったかもしれません。

第545回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金15万円+副賞

1位「兄の式日」東京都・井上soleil(26歳)

投稿2回目

あらすじ

高校2年生の主人公・葵の10歳年上の兄・光輝が亡くなった。葬式からしばらくして、青年・一帆が家を訪れる。葬式で一帆が光輝とパートナー関係だと打ち明けた際、カミングアウトに混乱した葵たちの母に追い返されたため、葵と一帆の再会は時間を要した。縁側で、2人は光輝との思い出語りを通して、光輝を喪った寂しさを分かち合い…。

この題材に挑戦しようというオリジナリティ、短いページ数に過不足なく収めきった構成力がお見事。タイトルも内容に合っていて良かったです。兄と一帆の関係に対して、祝福する主人公、混乱し反応する母親と、複数の立場の人間を配置することで話にリアリティが出ていました。かつ、大切な人の死という主題を選びつつも、物語の最後は主人公の心情が前向きに描かれていて、読後感が爽やかだったのも好印象です。モノローグや表情はもちろん、手の仕草や人物の動きでキャラクターの気持ちが丁寧に描写されていました。短いページ数と展開の多さ的に難しいところではありますが、キャラクターの個性が見えづらかったのが今後の課題と言えます。読者が好きになれるような個性を、主人公をはじめとしたキャラクター達に持たせる工夫を。次回はぜひ、もっと長いページ数でチャレンジしてください。

sora先生からのアドバイス

線が丁寧に描かれていて絵としてのクオリティはバッチリだなと思います! また、会話メインですが俯瞰やアオリでの構図の工夫も感じられます。特に会話中のイマジナリーラインを突然超えないカメラワークにとても好感が持てました!話については、この設定ならではのカタルシスが、演出や構成の仕方でもう少し強く描けたのでは?と思います。次回作も頑張って下さい!

花とゆめ編集長からひとこと!

兄の死と兄の親友の来訪…。少しずつ何があったかが明らかになっていく展開で、話に引き込まれました! 心情描写が丁寧で、主人公が悲しい事態を経つつも、少しだけ前向きになる…というラストで○。二つの意味合いを持たせたタイトルも良いですね。

第544回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金15万円+副賞

1位「漸近線越しに君を思う」大阪府・広野眞魚(20歳)

投稿1回目

あらすじ

物理学が大好きな主人公・しりかは熟考した告白文句で幼馴染で文学オタクの成斗に告白する。しかし成斗には告白が通じず肩透かし。2度目の告白はハードルが高いと尻込みするしりかだが、成斗が引っ越すと聞き、勇気を出してバレンタインに再度告白することに。だがチョコを渡す直前「手作りチョコは重い」という成斗の発言を聞いてしまい…。

意表を突くトピックと恋する女の子の共感できる心情を非常にうまく組み合わせていました。また物理学好き、文学好きという主人公たちのキャラ付けを終盤に至るまで利用しながら展開を作ろうとしていた点もとても良かったです!絵はまだまだ拙い部分もありますが、総じてキャラクターの表情がとても魅力的でした。彼を好きになったきっかけの回想など、情報の出し方がやや強引な箇所があったのでお話の流れの中で自然に見えるように意識するとより良くなると思います。またキャラクターの心情でリサーチや漸近線といった印象的なワードを組み込むのはとても良いのですが、ワードに引っ張られて心情を全部説明するようなモノローグになってしまうと読者の感情移入の隙が無くなってしまうので、説明し過ぎないよう意識できると◎。また、男性キャラの魅力が伝わるような展開を意識しよう!

第543回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金15万円+副賞

1位「彼女が彼になりまして。」兵庫県・ソノヘンノ高橋(23歳)

投稿2回目

あらすじ

主人公の日向は、幼馴染の大親友・唯のことが大好き。しかしある日、唯が突然に「今日から男として生きることにした」と宣言! 驚きつつも、自分達の関係は何も変わらない、という唯の言葉に安堵する日向。しかし、容姿端麗でクラスの人気者である唯に、「彼女」がでてしまったら、自分が唯の一番でいられなくなることが不安になってきて…。

言葉回しのセンスに脱帽。以前、BCに投稿いただいた作品もそうでしたが、ほんわかとした可愛らしいギャグと、シリアスな台詞・モノローグとの対比のつけ方が非常に上手く、キャラクターの感情がより強く伝わってきます。ネームも上手。コマの強弱のつけ方がはっきりしていてテンポも良いですし、見せたいコマをしっかり見せられています。キスシーンなど、見せ場の意識も◎。気になったのは絵の部分。絵柄は可愛いのですが、全体的に線の粗い部分と背景の白さが目立ちます。基礎画力自体は決して悪くないと思いますので、画面作りの勉強を。ストーリーはあともう一歩。主人公がなぜそこまで唯に執着するのかが分からないため、彼女の感情の重さについていき辛いです。幼馴染ということであれば、例えば過去エピソードを入れるなど、キャラの感情に説得力を持たせる意識を持ちましょう。

第542回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金15万円+副賞

1位「悪役令嬢は幼馴染騎士に破滅フラグを阻止される」高知県・河野真実(26歳)

投稿5回目

あらすじ

剣と魔法のファンタジー舞台でイケメン達と恋をする乙女ゲームの世界に転生した女の子。しかし、主人公ではなく悪役令嬢になっていた。悪役として振る舞わないと、推していたキャラが不幸になると気づき、悪役として過ごすことに。露悪的な行動をするたびに、幼馴染の騎士が邪魔をしてくるためあまり悪役として動けない日々が続くが…!?

異世界転生ものという人気の設定をうまく使えていました。服装や背景などの描き込みも丁寧で、舞台設定が画面でよく伝わりました。主人公は悪役として振る舞うのですが、内面は好感の持てる女の子で、他のキャラクターも嫌味なく気持ちいい人物ばかりでした。主人公と幼馴染・レイスのかけあいはテンポよく、二人の関係性やキャラが伝わって来て読んでいて楽しかったです。レイスの気持ちに気付かない主人公なので、続きを読みたいと思える構成になっていました。ただ、主人公が論理的に考えて自分の役目を全うするということを最初から決めてしまっていたので、感情の変化が少し乏しく見えてしまいました。ブレない主人公というのも魅力的ではあるのですが、よみきりは最初と最後でどのような変化・成長があるかという部分も読みごたえに繋がるので、次回作はそこも意識してみてください。

第541回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金15万円+副賞

1位「黒猫の飼い猫」愛知県・秋月勇歩(18歳)

投稿2回目

あらすじ

クロエの師匠は高名な魔導士だが猫。しかも猫の癖にネズミが怖いしお風呂が大好きで魚より肉派。二人は5年前に出会い。毎日仲良く(?)言い合いをしながら共に暮らし、師匠に頼まれた仕事をこなす日々。ある日クロエはお使いを頼まれるが、魔物に気をつけろという師匠の忠告を聞き流す。お使いの帰り、上級魔術を使う魔物に遭遇するが…?

少女と師匠の猫(!)のキャラ立ちがしっかりしていて、かつ短いページ数ながら展開に山谷があり、楽しく読めました。師匠の「人肉は試したことがない」発言に「ネコ肉は初めてです」とクロエがにやにやしながら言い返す様子など、表情の豊かさやセリフの言葉選びから、二人の距離感や関係性がうかがえました。展開も、二人の日常やお使いの場面、もう駄目かと思ったら師匠が助けに来る場面、さらには過去の出会いシーンまで全て入っていて、飽きさせずに読ませる構成力がありました。ただ、短いページ数に詰め込んだため、師匠がクロエを助けるシーン等の魅せゴマまで小さく、見せ場が盛り上がりに欠けて見えたのは勿体なかったです。また、師匠がかっこよく見える絵があまりありませんでした。次はより長いページ数の作品に挑戦し、キャラの魅力を引き立たせる見せ場を増やしてみましょう。

第540回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金15万円+副賞+新人賞1万円

1位「俺と子猫と流れ星」福島県・藤井愛子(18歳)

投稿1回目

あらすじ

オカルト研究会の新入部員である主人公は先輩の命令で3日前からなぜか明るい大学裏の竹やぶに行くことに。そこで見つけたのは眩しすぎて直視できない「流れ星の精」だった。死期が近い為看取ってほしいという流れ星の精の願いを叶える為、彼女に振られて落ち込んでいた主人公は精の元へ通い様々な話をする。が、精との別れの日が来て…。

序盤の掴みから最高でした! 地面が発光している光景と主人公の叫びで一気に惹きこまれました。また、タケノコと喋るシーンが、絵面・会話ともにとても面白く、終始楽しく読むことが出来ました。更に会話劇としての面白さだけでなく終盤しっかりとドラマがあり、ほろりとくるシーンも作れていることに構成力の高さを感じます。展開としては予想できるものではあるのですが、それでも、読者が感情移入できるようにエピソードを入れていて、まんまと感動させられてしまいました。ページの問題もあるので一概には言えませんが主人公に関する情報が若干後出しのように感じたのでもう少し小出しに出来ると良かったと思います。若干男女が似たような体型になってしまっているので描き分けはもっと意識してみて下さい。コマ割り等でも今後の伸びしろが沢山あると思うのでいろいろ研究して下さい。

第539回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金15万円+副賞+新人賞1万円

1位「君になりたい」東京都・愛本エースケ(18歳)

投稿1回目

あらすじ

主人公の小林さんは同級生の蒼ちゃんに憧れている。
「普通」であることにコンプレックスを持っている彼女は、優しくて勇気のある蒼ちゃんを見て、自分も特別な人間になりたいと思っていた。ある日、ふたりは路上に積まれたパイプが倒れ、女性が下敷きになりそうな場面に遭遇する。身を投げうって女性を助けた蒼ちゃんは怪我を負うが…?

ラストシーンに向けた構成が圧巻! 実は蒼ちゃんの方こそ主人公に憧れていた、ということが明らかになる場面、本当に驚かされました。タイトルのミスリードも効いていますし、18歳とは思えない構成力です。願いは叶わず、友人は大怪我を負い…と、起きる出来事は悲劇的で、途中まではバッドエンドも覚悟しましたが、ラストの「君になりたかった」という蒼ちゃんの一言だけで、全てが救われますね。構図や会話のテンポも良く、抜群のセンスを感じます。課題はキャラクター描写の弱さ。主人公、一体どう普通なのかの描写が無く、共感がしにくいです。学生ならテストの点数など…、細かい描写でも良いので、キャラを見せるためのエピソードを。また、猫のキャラクターも印象が薄く感じます。ファンタジーですので、仕草や言葉遣いでじゃっかん大仰にキャラ付けをするくらいのがベストです。

第538回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金15万円+副賞+新人賞1万円

1位「お前は我の何なのだ!!」東京都・たきどん(20歳)

投稿1回目

あらすじ

女子高生・あやめは、一人称が”我”でゴスロリファッションで通学する個性的な人物。同級生からは腫物に触るような扱いをされているが、隣の席でクラスの人気者・香坂だけはやたらと絡んでくる。イジって楽しんでいるだけだと思い、疎ましく感じるあやめだったが、香坂が自分のことをクラスメイトと話しているのを偶然聞いてしまって…!?

主人公のキャラクターが立っていて、冒頭から引き込まれました。絵柄も華やかで、主人公のレースなど細かいところまで描き込んでいて画面作りが上手でした。香坂くんも普段軽く見える分、主人公をかっこいいと認めるシーンはギャップがあり魅力的でした。ストーリーはシンプルでしたが、見せ場がはっきりしていて読者の読みたい方向へ展開できていました。特に、我が道を進んで動じない主人公が、香坂くんの言葉に照れるシーンがとてもよかったです。主人公と香坂くんの掛け合いもそれぞれのキャラが活かされていて楽しく読めました。主人公がなぜ現在のような振舞いをするようになったかの説明があれば、さらにストーリーにもキャラクターにも深みが出たかと思います。画力もストーリー構成力も演出力も高いレベルにあるので、自分なりに目標を作って、さらに力を磨いていってください!

第537回 HMC まんが家コース 優秀賞 賞金20万円+副賞

1位「限定いい子」東京都・洋酒しぐれ(20歳)

投稿13回目

あらすじ

杏利の最近の悩みのタネは、最近母が再婚してできた、チャラい義理の兄・理馬。
実父が「実はもう一つの家族がいて」と昔出て行き、軽い男が大嫌いな杏利は、ナンパ男な理馬が大の苦手。ある日、二人きりで留守番することになってしまう。理馬がやたらかまってきて杏利の機嫌は最悪に…。けれど理馬はどうも彼女と仲良くしたいみたいで……?

主人公たち2人のキャラクターや2人のやりとりがとても魅力的でした。杏利は理馬に対してはじめつんけんしていますが、理馬のことが苦手な理由が納得できる形で描かれていたり、彼女のお母さん思いな面や物語後半の理馬に対する可愛い反応など、読者が彼女を好きになれるポイントがたくさん描かれていて、好感度の高いキャラクターづくりができていました。理馬がチャラ男らしく杏利を口説く場面もかっこよく描かれていて、男子をかっこよく描こうとする熱意が伝わってきました。また、今までの洋酒しぐれさんの投稿作品に比べ、特に絵柄がぐっと可愛くかつ男の子がかっこよくなり、人物の魅力がさらに伝わるようになっています。今回は人物の関係性紹介と、関係が少し変化するところでお話が終わっていたので、次回はより人物の関係性がぐっと進むお話に挑戦できるとよいかもしれません。

第536回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金15万円+副賞

1位「稲荷くんは化かしたい」東京都・春風マルチーズ(24歳)

投稿4回目

あらすじ

妖狐一族のもみじは昇格するため、人間を化かし惚れさせようとする。彼がターゲットに選んだのは鈍臭く周りから距離を置かれている、森川花穂。自分に自信がない人間ならつけ込むのも簡単だと思っていたもみじだったが、ことごとく失敗してしまい、妖狐の姿で自分を情けなく感じていたところ、もみじを追いかけてきた花穂に会って――?

主人公のキャラクター・ヒロインとの関係性・仲間の妖狐たちとの軽快なやり取りなどがとても魅力的でした。主人公のもみじ君が他の妖狐に一泡吹かせようと頑張り、それでも色々失敗してしまうシーンなど読者が「かわいい」と思えるようなポイントがリアクション・行動・表情など要所にふんだんに盛り込まれており、好感度が高いキャラクターづくりが出来ていました。画力も高く、お話もよくまとまっていたので主人公とヒロインの距離が近づく流れも違和感なく読み進めることが出来ました。またお話の序盤で主人公の目的を明確化することによりお話の流れが頭に入って来やすく、よりキャラクターに目を向けられます。
より説得のあるキャラクターにするためにヒロインが周りに馴染めていない理由等設定部分の背景をもっと掘り下げてみてもいいかもしれません。絵柄も、色々試してみて下さい!

第535回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金15万円+副賞

1位「あわ」千葉県・朝野星

投稿1回目

あらすじ

佐野知里は、ごく普通のOL。電子機器端末ホの中に「エリ」という不思議な友達がいること以外。自分で作った3Dモデルが突然意思をもって動き出し、知里にしゃべりかけてきたのだ。
孤独な彼女にとって救いをもたらしたエリ。彼女無しの生活はもう考えられない。
彼女に触れたいけれどスマホの中の彼女には触れられない、知里の葛藤の物語。

18歳にしてこの独特な世界観をマンガ内に描けている才能には脱帽です。朝野さんにしか出せない雰囲気とマッチした絵柄、物語の内容、キャラクターが見事に揃っています。このご自身の世界観を大切に育ててあげてください! 「電子機器端末の画面越しにしかコミュニケーションの取れない、独自の意思を持った友達」という発想が面白いです。そこにとどまらず、三次元に生きている主人公の心の葛藤をしっかりと描けている点が素晴らしいです。エリちゃんがあまりこちらに自身の気持ちを表明しない絶妙なデジタル感、距離感がまた◎。そこをより広げるために、主人公のキャラクターをもっと掘り下げ、どう孤独なのか、どんなバックボーンや思いがあるのか、という生々しい人間らしさを出せるとよいでしょう。絵もまだまだなので、まずは綺麗な線を引く事やデッサンを意識してみて下さい!

第534回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金15万円+副賞+新人賞1万円

1位「ふたごこんぷれっくす」大阪府・チキン(21歳)

投稿1回目

あらすじ

主人公のあかりはバレー部次期キャプテン。元気がとりえだが、性格はあわてんぼうでミスが多く、周囲からも期待されていない。いつも優秀で外見も良い双子の弟、あおいと比べられて
生きてきた。ある日、あおいと比較されることにいよいようんざりしたあかりは、彼との口喧嘩の末に、「双子じゃなければよかったのに」と口走ってしまい…?

画力が高く、絵柄も今風で画面が華やかです。特に男の子の描き方が抜群に上手く、高評価に繋がりました。見せ場はもちろん、ちょっとしたシーンにもしっかり表情がついていて、その度にドキリとさせられます。
また、無駄なコマや台詞が少なく、そういったキャラの表情や行動を中心に見せられているので、ネームも洗練されている印象。少しコメディチックな前半から、一気にシリアスな展開に引き込む構成も目を惹きました。ただ、途中で視点がヒーローに移る場面がありました。その後どちらのキャラの目線で読めばいいのか混乱するので、視点はぶれないようにするとベターです。また、主人公の描写として欠点の方が目に付くので、彼女の良いところ(元気さ、実直さ等?)が出るような見せ場を入れられると◎。読者が応援したくなる、幸せになってほしいと思える主人公像を意識してみましょう。

第533回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金15万円+副賞

1位「内密デート」神奈川県・AiliA(17歳)

投稿2回目

あらすじ

学年一の美人・美咲に告白された笹原。しかし、特にイケメンでもなく目立ったところのない自分がなぜ好かれているのか見当がつかない。彼女に誘われた放課後デートで「美咲が本気か
遊びか」を探ることに…。
そしてその様子を友人2人もこっそり見守ることにするが、現場に着いてみると美咲の女友達の涼もデートを覗き見しているようで?

女の子は可愛く男の子は恰好いい、そんな今時の絵柄がとにかく高評価でした。特に男子キャラはメインだけでも3人出てきますが、描き分けがしっかりしていて、見た目やしぐさだけでそのキャラがどんなタイプの人なのか伝わってきました。絵柄の魅力はそのままに、これからは画力をアップしていきましょう。大体のコマがアップ、もしくは腰上で切れているので、全身を入れた動きのあるコマを描くように意識してみてください。男子キャラの身体のデッサンが不安定なので要注意。背景もしっかり描いてキャラの配置を示しましょう。ラストシーンに大きなキメゴマを持ってきているのは印象に残って◎でした。個性豊かなキャラたちはとても魅力的ですしそれぞれの活躍も描けていますが、ページ数に対してどうしても人数が多い印象です。
次回作では設定やエピソードの取捨選択をしてみて下さい。

第532回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金15万円+副賞+新人賞1万円

1位「アンドロイドアルファ」岡山県・井沢美斗(27歳)

投稿1回目

あらすじ

祖父の作ったアンドロイドの「アルファ」と暮らす少女。アルファは彼女をマスターと呼び、執事として仕えてくれているが最近は様子が変。「一緒に寝て、ぬくもりを感じたい」と言い
出すなど距離感が近いのだ。
アンドロイドゆえ、日頃は感情に乏しい彼の行動に戸惑う少女。彼は機械なのだから、「それ以上の感情」はないはず、と思うが…?

描線が綺麗で、洗練された絵柄が高評価でした。画面のメリハリもしっかりついており、話が盛り上がるにつれてコマも大きくなる…などの工夫がされているので、物語における感情の起伏がよく伝わってきます。
男の子の絵柄もかっこいいので、いつもはクールなアルファの突然の行動にときめいてしまう主人公の気持ちもよくわかります。主人公も、喜んだりときめいたりする際の表情が可愛く、応援したくなりました。ストーリーも展開に無理がなく読みやすいのですが、逆に言うと予想外のことが起きず、もう少し個性が欲しいところです。例えばアルファにとって作り手のおじいさんにはなく、主人公にはある魅力がどこかわかるようなエピソードや、アルファが変化し始めたきっかけのエピソードであったりを、キャラクターらしさを生かして描いてみると◎。自然にキャラが立ち、個性が出てきます。

第531回 HMC まんが家コース 優秀賞 賞金20万円+副賞

1位「来世ゲーム」広島県・琴葉(16歳)

投稿2回目

あらすじ

相楽唯15歳。親には愛されず、信用できる友達もおらず、恋も報われない彼女は人生を終わらせる決意をした。屋上から飛び降り、目が覚めるとそこは異空間。
冥府の案内役・シュガーから、他人の幸福を奪って自分の来世に投資する「来世ゲーム」に参加するよう提案が! 復讐したい人に触るだけで来世はハッピーになれると言われた唯は…?

とにかく瑞々しい10代のセンスが光る作品でした。
家族や学校の生々しい悩みを、刺さるように描く冒頭に惹き込まれます。前半はベタを上手く使い、作品独特のダークな雰囲気が出ています。クライマックスは逆に白多めの画面で、読み手に主人公の決意を清々しく共有していました。その画面構成力もセンスの一つですが、少女まんがらしい華やかさを出すため、もう少しトーンも増やしてみましょう。絵柄も今時のシャープさが◎。背景含め、沢山描いてぜひ画力アップを! お話も主人公が格好良く面白い展開です。ただ、終わり方はもう一歩。周囲の不幸な未来を見て考えを改める優しい主人公…というのはもちろん◎ですが、このまま今世に戻っても彼女を取り巻く現実は厳しいまま、というのが気になります。シュガーの一言+今世に何か彼女の頼りになるものが存在すると、読後感が良くなります。

第530回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金15万円+副賞

1位「2番ホーム1号車3番ドア前」東京都・三口真(29歳)

投稿2回目

あらすじ

高校入学から2年6か月。
分刻みで決まったルーティンを、規則正しく無駄なくこなすことに生きがいを感じる須藤。当然毎日決まった場所から電車に乗るのだが、向かい側のホームにも毎日同じ時間、同じ場所か
ら電車に乗る女の子が。ある日、本屋で彼女に偶然遭遇。予想外に会釈をされ、とまどう須藤。次の日、彼女はホームにいなくて…?

キャラを活かしたストーリー展開が秀逸! 彼がどれだけ几帳面でルーティンを壊したくない人物か、序盤でわかりやすく描いているので、彼の行動原理が読者にも無理なく馴染みます。その上で「気になる女の子と話すためにルーティンを崩せるか」という展開になっているので、「どうするんだろう?」と続きが気になります。主人公が彼女を気にする理由も、シンパシーを感じるから…という無理のない感情なので、読みやすかったです。理性的な主人公が彼女のことを気にし始めた後の、いい意味での挙動不審さは好感が持てましたし、ストーリーのテンポの良さにも一役買っていました。課題は絵柄と画力。立ち絵の等身がコマによって不揃いなので気を付けましょう。男女の体格差も意識して。手や肩幅、首元など男子らしいパーツを凝ってみると◎。男子キャラの顔も人気の絵柄を参考にしてみて。

第529回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金15万円+副賞

1位「わたあめと君。」北海道・陽中あかり(20歳)

投稿9回目

あらすじ

彼女の結衣に突然別れを切り出された蓮。その理由は、「私に対して気持ちが入ってない。本当に私のことが好きなのかわからない」というもの。未練のある蓮が彼女を追いかけようと腕を掴むと、腕の周りにふわふわした感触が! わたあめのようなその物体を食べてみるととてもしょっぱい。他の人の周りにもわたあめが見えるようになって…?

まとう人の感情によって味が変わるわたあめが見えるようになってしまう…という奇抜な設定が良かったです。読者を驚かせよう、見たことのない世界観を作ろうと工夫する姿勢が◎。ただ、どうして突然彼だけがわたあめが見えるようになったのか、なぜ彼でなければならなかったのか…。その理由を投げ出さずにもう少し説明してあげるとより説得力が増します。悩ましげな男の子の表情にはどこか色気があり、ビジュアルの良い男の子を描くセンスがあると思うので、全体的に画力を上げてぜひ頑張ってみて下さい。課題はキャラクターの掘り下げ。設定の説明に多くのページが割かれているので、読者は彼女の結衣同様、「彼がどんな人かわからない」「彼女のどんなところが好きなのかわからない」状況です。もう少しキャラの内面を描くエピソードを入れて、読者が感情移入できるようにしましょう。

第528回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金15万円+副賞

1位「恋苦恥眩」東京都・ショウ(20歳)

投稿1回目

あらすじ

幼馴染のリカに告白しようと屋上に呼び出したユウジ。
何度も練習したはずなのに、虫に邪魔されたりとどうもうまくいかない。しかし、彼はどうしても今日告白したかった。その理由はサッカー部エースの金沢が「明日リカに告白する」と言っているのを聞いてしまったから! 一方、実はリカもユウジが好きで、彼からの告白をずっと待っていて?

物語の序盤とラストの、思春期らしい勢いが読んでいて気持ちいい作品。一生懸命なメインキャラ2人が微笑ましいです。表情もくるくる変わり、髪の毛や服にも動きがあるので楽しく読めました。背景がもう少し描けると場面転換などが分かりやすくなります。同じくらいの大きさの顔が入るコマが続く印象なので、アップや見開きなどを入れると、持ち前の勢いを更に生かせると思います。メリハリを意識してみて! 女の子の顔はもう少し柔らかく描けると◎。男の子は親しみやすいのですが、イケメンらしくキメる瞬間を作って、女性読者が楽しむポイントを作りましょう。お互いを好きになった訳や告白しようと思ったきっかけなどが少々テンプレート気味なのが気になります。少女まんがの王道を攻めるのも大事なのですが、セリフや演出などを工夫して、エピソードに自分らしさを持たせましょう。

第527回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金15万円+副賞+新人賞1万円

1位「一言分の想い」香川県・木染月(19歳)

投稿1回目

あらすじ

作者の意図や主人公の心の内を読み取るのが苦手で、読書感想文も得意ではない佐田。ある日学校の屋上から自殺を図る同級生、春野と出くわす。止めようとすると「私に死んでほしくない理由を原稿用紙5枚以上で説明して」と条件を出されてしまう。必死に書き上げようともがく中で、クラスの人気者である春野の胸の内を知ることになり…?

まず、物語のセンセーショナルな始まり方が上手で読者の心をつかみます。画面作りも大胆で、一ページにぎゅっと詰まりすぎず軽妙なため、作品のテーマ自体は一見重たいのですが、読みやすく感じました。コマ運びや選ぶ言葉も、木染さんにしか描けない独特のセンスが光っています。学年最下位で根暗でパッとしない主人公と、明るく成績優秀で誰からも好かれる春野との対比も、立ち位置が真逆でそれぞれを上手く立てていました。ただ、ラストに向かっていくにつれキャラの考えていることが分かりづらくなったように感じました。春野が佐田のどこに惹かれたのか、結果自殺をやめるきっかけになったのは特にどの言動なのかなど、雰囲気に任せすぎて読者を置いていかないよう注意しましょう。二人にとってターニングポイントとなるエピソードを印象に残るよう派手に描いてあげるのがコツです。

第526回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞+新人賞1万円

1位「四ツ葉の端っこ」茨城県・雪原しづき(26歳)

投稿1回目

あらすじ

「未芽衣ちゃんって何言ってるかわからない」小学生の頃そう言われたのがきっかけで、人と話すことが怖くなってしまった未芽衣。高校に入学した今も、それが原因で友達ができない毎日…。そんなある日、前の席の一之瀬に突然話しかけられる。口下手な未芽衣とは真逆で、思った事をすぐ口にするタイプの彼。でも思ったより話しやすくて?

とにかく絵柄が抜群に可愛いです! 女の子特有の華奢な体つきや、瞳の輝き、髪の毛の繊細さなどとても少女漫画らしく描けています。対して男の子も、首筋や手など「男っぽさ」が出せるパーツをうまく使って、男の子特有の色気を出せています。ただ、女の子に比べて男の子はコマによって顔の雰囲気が変わってしまう傾向がありますので注意しましょう。トーンの使い方も今時でセンスが光りますし、画面全体から出る「可愛い」雰囲気が武器になると思います! 主人公は口下手ながらも卑屈ではなく一生懸命で応援したくなる描き方が◎。ラストも目立つ大ゴマを用意できたのは絵柄の良さも活かせますし非常に良かったのですが、メイン二人の関係性が大きく変わらなかったのは少々残念。もう一つ男の子のキメシーンがあると読者の満足度も上がるので、ラストの盛り上げをより意識してみましょう。

第525回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「キミとの境界線」奈良県・和樂桜夜(25歳)

投稿4回目

あらすじ

ゲームが好きで根暗な幼馴染・遊真を毎朝起こすのが日課の鞠音。
抜けているようでさりげなく優しい彼を知る彼女は、友達から「遊真といると鞠音の格が下がる」と言われても彼と一緒にいることをやめない。ある日、人に好かれる方法を遊真から聞かれた鞠音。複雑な気持ちになりながらも乙女ゲームのキャラを参考にしたら、と助言をし…?


瞳や髪の毛、服のシワなどの人物描写はもちろん、背景や効果に至るまできっちりと描き込んだ画面に気合を感じます。キャラの表情も豊かなので、話を追っていて楽しいですし、自然に感情移入できました。逆に言うと抜きのコマが少ないので、際立たせたいコマがいまいち目立たないというデメリットも。特に後半でお話のヤマ場が近づいてきたら、コマを少なめにし、効果も選んでメリハリを意識しましょう。鞠音の人気者なのにそれを鼻にかけないまっすぐさや、車の水はねから守ってくれる遊真の意外な優しさなど、キャラの魅力的な部分を読者にわかりやすく、かつ出来るだけ冒頭に近いページで示しているのも好印象。ただ、少女まんがなので男の子のかっこいい部分がもう少し見たい…というのが本音。後半も鞠音の見せ場が多いので、「変わること」を意識した遊真の頑張る姿も入れてみては。

第524回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「君は知らない」福岡県・椎名にいな(27歳)

投稿5回目

あらすじ

入学早々ハーフのイケメンがいると騒がれた隣の席の西鬼君は、テストの成績もトップでクール。めったに笑わない彼の無表情をいかに崩すか…そんな戦いを挑み続けている主人公・梅子。なのにいつも先に笑ってしまうのは自分の方。勝利の正の字もどんどん彼側に溜まっていく…。一方で実は西鬼君は高校デビューを頑張ってしまっ
ただけの陽気な男だった! 梅子と普通に喋ってみたいという気持ちが募ったその時、出た一言は?

デフォルメの強い絵柄が可愛く、センスが光っています。少し間の抜けた可愛い表情
がストーリーと合っていて素敵でした。トーン使いも今時で可愛らしく華やかです。一方で基礎的な画力はレベルアップが必要です。服のシワや身体の構造などのデッサンをしっかりしましょう。背景ももう少し頑張ってみてください。高校生らしい一生懸命な二人のキャラはとても微笑ましく、嫌味がないので読んでいて自然に応援したくなります。そのセンスも素晴らしいです! 西鬼君のキャラの付加価値を盛り上げるだけ盛り上げて、実は関西弁の陽気なキャラだった…という展開も落差があり面白かったです。ただ、その後のオチが弱かったのは残念。あるあるにならないよう気を付けつつ、しっかり盛り上げましょう。

第523回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+新人賞1万円+副賞

1位「アメのち晴れ」茨城県・ちあき(25歳)

投稿1回目

あらすじ

地獄で働く鬼たち向けの食堂に勤めているアザミ。店の常連の獄卒の鬼、コノエのことが気になる毎日。彼はいつも変な味のアメをくれたり、アザミのことを子ども扱
いしてからかったりと交流はあるものの、実はその他のことはよく知らない…。そんなある日、綺麗な女の人と可愛い男の子と家族のように仲良く歩くコノエを見かけ
てしまったアザミ。ショックで思わず彼を避けてしまう。不審に思ったコノエが追いかけてきて…!?

絵柄のレベルがとても高く、可愛かったです。特にキャラの表情が素敵で、笑った顔
や恥ずかしがっている顔などそれぞれ思わず感情移入してしまうほど上手く描けていました。髪の毛の線も丁寧で◎。せっかく絵が達者なので、それを活かして見開きや大ゴマを大胆に使うページを作ってみるのもオススメです。また「地獄の食堂」という設定自体は面白いのですが、あまり活かしきれてない印象です。キャラの気持ちやエピソードが地獄の世界観でなくても成り立ってしまうものばかりだったのが惜しいです。好きな人が自分のことをどう思っているのか…という悩みは共感しやすいですし読みやすさはあるのですが、ファンタジー設定の場合、その世界観でしかできないことを積極的に取り入れてみましょう。

第522回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「あの手、この手、」広島県・嶋くら子(28歳)

投稿14回目

あらすじ

初めての彼氏が出来てひと月。マイペースな彼・悟と手を繋ぎたいユウは、自分からリードしようと勇気を出すものの「準備があるから待って」と言われてしまう。緊張して心の準備を…?と思いきや、次の日彼はなんとマジックハンド越しに手を繋いできた!
それからも直接手を繋ぐことをなぜか拒否されるユウ。原因は自分の強すぎる握力にあるのでは?とどんどん不安に…。実は彼は自分の手汗のすごさがコンプレックスで…!?

なぜ手が繋げないのか、先が気になる話運びが上手で、思わずページをめくらせる力
があります。特に最初のマジックハンドで手を繋ぐシーンはインパクトが強く、印象に残る掴みができていました。逆に出オチにならないよう、出だしよりも更に主人公や相手役の個性が出るような展開が用意できるとより良いです。基本の画力はあるのですが、絵柄の古さは気になるところ。特に表情の作り方のクセが強いので、可愛くて面白い、少女漫画らしいデフォルメができるよう研究してみましょう。画面全体のメリハリをつけるように意識するのもオススメです。大ゴマでのアップの顔はもっと大胆に大きくしてみると、ヤマ場の印象もより残りやすくなります。演出力を上げて、魅力的な画面作りを心がけてみて!

第521回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「麗しの彼」香川県・美白(21歳)

投稿4回目

あらすじ

恋愛小説が好きでいつか運命の人と出会えることを夢見る寧々が、ある日ボールをぶつけてしまった相手…それは学校一のモテ男と言われる飛鳥先輩だった。見た目はもちろん麗しく、性格も優しい完璧な彼。しかし彼の隠された二面性を目撃してしまった寧々は、秘密を黙っておくよう脅されてしまう。関わりたくないと思う寧々だったが、素の彼を知れば知るほど魅力的に感じるようになる。ある日彼から突然手紙を受け取って?

「麗しの彼」を表現するのにぴったりな繊細で綺麗な絵柄です。描線も細くて美しく、少女漫画向きです。女の子の表情も魅力的で、特に伏し目が可愛くて印象に残りました。もちろんヒーローも、いい意味でやや女性的な美しさが感じられ、色気のある仕上がりになっていました。トーン使いはしつこくなく、それでいて華やかなのが今どきで好印象でした。設定やストーリー運びは少女漫画に求められる王道である点は良いのですが、既視感は否めないので個性が欲しくなるところです。王道の設定の中でも、なにか一つキャラを立てたり、自分らしいセリフ回しをしたり、ギャップを作ったりなど工夫をしてみましょう。特に物語の印象を決めるヤマ場やラストにオリジナリティを出せるとベストだと思います。

第520回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「好きを知る日」茨城県・結人I'M(24歳)

投稿0回目

あらすじ

誕生日プレゼントに自分が何が欲しいかも思い浮かばない程、「好きなもの」が無く何事にも無頓着な主人公・亜貴。小さな頃から弟2人の世話を任され、彼らを優先するあまり、自分で何かを選ぶことができなくなってしまったのだ。そんな彼とは対照的に、好きなものがはっきりしている女友達・きいち。こんな自分のことを「他人想いで優しい」という彼女のことが珍しく気になる亜貴だったが、その理由にある日気づいて…?

細くて綺麗、かつ強弱のある線で描かれる絵柄が魅力的です。輪郭や体格、瞳など男
女差が出れば出るほど萌えに繋がりやすいものですが、それもきちんと描き分けられています。特に女の子の髪の毛が丁寧でとても良いです。背景の描き込みはしっかりめですが、もう少しトーンを貼って画面全体が華やかにできると、より一層少女漫画読者のツボを押さえられると思います。好きなものがない主人公が、やっと「きいちのことは好き」と見つけられるという、物語のテーマもはっきりしていて読みやすく、まとまっています。反面、ストーリーの流れや設定重視でキャラクター自体の個性は薄味に感じられたのは改善ポイントです。今回のお話なら特にヒロインの方にもう少し特徴をつけられるとベターでした。

第519回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「どうにかなる日々」滋賀県・たなかよよ(20歳)

投稿2回目

あらすじ

就職活動真っ最中の男子大学生、水原君。ある朝起きたら、体が小学生位になっていた。彼女であるあゆこは楽観的に構えているが、医学部の友人からは「心理的な要
因で思い当たることは?」と言われる…。実はうまく進んでいない就活を、あゆこには言えないでいた。二人でファミレスにいる時、同級生と出くわし、水原は大手ばかり狙い全敗している、と言われてしまう…。翌日、更に体は縮み赤ん坊に…。そこにあゆこが…!?

「朝起きたら 体が子供になっていた」という、急に幼くなるという展開ながら、スムーズにお話に入れる冒頭になっています。子供になったことに驚きつつも、普通に大学に行き、彼女に事情を話したり…と、ある意味淡白に進むのですが、それが絵柄と合致し違和感なく読ませてられています。実はプライドが高く、就活の圧力が引き金だったとわかるシーンも、主人公が子供の姿で涙することで、より読者に切なさを感じさせる効果が出ています。淡々と見せつつも感情の波を持たせていて、たなかさんの年齢以上の力量を感じます。惜しいのは画面作り。人物サイズにメリハリがなく、全体的に小さめに描いていることで単調に見えがち。感情の山場は大ゴマ・寄りの構図にするなど、意識してみて下さい。

第518回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「私のきらいな美知花ちゃんのこと」福岡県・ススキノ海(34歳)

投稿3回目

あらすじ

高校生の真衣には、友達が一人だけいる。友達の美知花ちゃんは、可愛いけど、すぐ人を頼ったりお金を借りたり…。彼女が休んだ日は、悪口に花が咲いた。その日から真衣は他のグループにいるようになり、美知花ちゃんとの仲は終わったかと思うように…。ある日、放課後出かけようと誘いが来たが、それは彼女の今の友達の都合が悪かったから…。「真衣ちゃんより大事な子ができた」という彼女を『大きらい』と思う真衣だけど…。

女子同士のセンシティブな好悪の感情を見事に描き出した作品! 複雑な心情をモノローグだけに頼らずエピソードを絡め16Pで完成させたネーム力は素晴らしいです。自分とは対極で、手放しで好きになれない相手への「嫌」という感情を高める中盤の後、美知花ちゃんの退学。そこで自覚する、彼女のデリカシーがなく見えた部分に、救われていた自分。事件がありそれが感情の機微に繋がるという、「エピソードによって気持ちが動く流れ」を上手く作れています。描線も繊細で、瞳も髪も綺麗です。ただ、画面の白さは惜しい所。演出になる場合もありますが、全編を通じて白いと、「効果」にならないことも。単調に見えないよう、コマとコマの隙間を生かすなど、画面全体の印象を考えてみて下さい。

第517回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「終わりに拍手を」宮崎県・よだか(21歳)

投稿2回目

あらすじ

「大好きな幼馴染に、ふれるだけのキスをした」。
男子高校生同士、しかも幼馴染は、自分の姉のことが好き…。困惑した幼馴染はその日は部屋を去るが、後日ちゃんと、「お前の姉ちゃんとつき合ってる。気持ちには答えられない」と真摯な返事をくれる。その時の彼の悲し気な表情を見て、「冗談に決まってんじゃん」と言ってしまう主人公…。そして、「お前がそう言うなら」と受け止めてくれた幼馴染…。そして時は過ぎ――。

部屋の中、無言のキスシーンから始まる冒頭は、読み手に緊張感を与えつつ展開への期待を持たせており、とても良いです。また、幼馴染がちゃんと返事をする→主人公が告白を冗談にする→主人公の本心をわかりつつ冗談として受け止める…という流れは、互いを親友として信頼している様子が上手に表現できてます。そこでの細かな表情も◎! 失恋の切なさを読者により共感させるには、幼馴染のどこが好きだったかなど、恋心の具体性を見せると効果的。叶わない思いを感じる分悲しみが増します。ラストは、よだかさんならではの台詞がほしかった所。絵柄はペンタッチの硬質さはあるものの、雰囲気・色っぽさがあります。ペンの硬さを取り、ツヤベタを綺麗にすると、魅力が増す画面になります。

第516回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「スーパースター」山口県・福本昌江(21歳)

投稿6回目

あらすじ

小学生の頃から一緒の橘さんと光井君。昔、上級生に立ち向かった光井君に対し、橘さんは「親分」と呼ぶ間柄。その上級生とのケンカの時、光井君の助太刀に入ったことで頬に大きな傷を負った橘さんは、今でも同級生から傷を揶揄されることが…。そんな彼女に告白をした光井君だけど、「それは怪我への同情」と突っぱねる橘さん…。彼には見上げ続ける星のような存在でいてほしいと告げる橘さんに、光井君は…!?

告白シーンから始まり、読者の期待感をつかむ演出が○。また、背景は丁寧に描き込まれていて、構図も相まって好印象です。主人公二人の共有の思い出が、現在の気持ちにつながっているドラマも読み手の心に沁みます。過去の出来事が二人にとって大事であり、そこから絆も感じられますが、二人の現在の人物像が読者にとって曖昧な印象のまま。主人公の頬の傷を同級生がどう思っているかはわかるのですが、主人公のパーソナリティまでは感じ辛いところ。光井君も、慕われている人だとは感じますが、彼がそう思われている具体性を描くと、読者がよりお話に入りやすいです。お話は、互いの気持ちを明かしてラストになるので、もう一歩二人の感情に踏み込んで終われると、満足度があがります。

第515回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「千の紅葉と万の華」兵庫県・松風はるか

投稿2回目

あらすじ

絹子の曽祖父は、明治を代表する日本画家。彼の描いた絵「紅葉鶏図」を見てから彼のような画家を夢見ているけれど、芸術展に作品を出しても、絹子の絵は選外になるばかり…。落ち込む絹子の相談相手は「紅葉鶏図」の付喪神・那智。
絹子を応援してくれている那智に、絹子は「賞がとれる絵が描きたい!」と泣きだして…?

圧倒的な画力と華やかな絵柄の扉絵が目を引いた作品!日本画家を目指す少女の絵が、松風さんの高い画力で見事に表現されています。絵柄はやや古いですが、細い描線で描かれる髪の毛や瞳が美しく幻想的。また付喪神・那智の衣装も麗しく、〈人ならざる存在〉であることを一目で感じられるデザインになっています。主人公キャラはひたむきで一生懸命。応援したくなる素直さを感じさせてくれます。今後の課題はネタの引き出し。前回描いた作品と同じキャラ配置(人外×才能に悩む少女)、同じストーリー展開(彼を思い浮かべた作品で成功する)で新鮮味がありません。審査は「投稿者が前回から成長しているか?」も見ています。新しいネタでぜひ挑戦を!

第514回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「おねぇタヌキの恋愛事情」宮城県・輝(19歳)

投稿2回目

あらすじ

遠藤美香は隣のクラスの葉山海狸に狸の耳と尾が生えているのを偶然目撃してしまう。
「そういう趣味?」と質問したところ「趣味じゃないわ
よ!」と彼は狸に変身! よくよく事情をきくと、好きな子と両想いになりたくて、人に化けつつ先生に暗示をかけて入学したという。彼が恋い焦がれる女子との仲を手伝ってと頼まれ!?

隣のクラスの男子が「狸だった!」という気になる冒頭から始まる楽しい作品。とくに狸のキャラクターが外見と中身ともに可愛く、この狸の恋を応援したい!と素直に思わせてくれました。狸の絵柄は、ふわふわの毛並みを表現するために細かな斜線で描きこまれていて丁寧で繊細。狸のキャラはころころと変わる表情が雄弁で、切ない心情がストレートに伝わってきました。惜しいのは、主人公が狸の「恋を手伝う」といったものの傍観者になってしまい、クライマックスで活躍するシーンが少なくなってしまった印象。今回は狸の恋をじっと見守る立ち位置でしたが、次回は主人公が相手役に働きかける(=読者が一緒に体験できる)お話に挑戦してみてください。

第513回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+新人賞1万円+副賞

1位「踏み出す一歩」和歌山県・真嶺(24歳)

投稿1回目

あらすじ

小さいころから幽霊が視えた凪。
ほとんどの幽霊に害はないし怖いと思ったことはない。ある日、旧校舎に幽霊が出たという噂をきいた凪は確かめに行き、そこで少女・
春子の霊を見つけてしまう。しかも「春子が視えてるんですよね。僕たちに力を貸してくれませんか?」と上級生の男子に協力を依頼され、一度は断るけれど…!?

「自分は何もできない」と落ち込む凪が、幽霊だと信じられないぐらい明るい春子と出会って、恐れずに他者とかかわってみようと踏み出すまでのお話。扉の絵柄がとても可愛くて引き込まれます。とくに描線が細く丁寧で、ゆるやかに広がる髪や翻るスカートなど物の質感表現が美しいです。お話はよくある「霊感少女・ミーツ・幽霊もの」ではありますが、少女の方が暗くネガティブで、幽霊の方が明るくポジティブという組み合わせのギャップが面白いです。また、幽霊の願いを叶えながら主人公の悩みも解決していくので読後感がとても爽やかでした。今回は主人公よりも幽霊&男子が目立ってしまったので、次回は主人公がメインとなる話を読んでみたいです。

第512回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「21gの救済」東京都・はやむらころも(22歳)

投稿13回目

あらすじ

死神派遣会社のバジルは同じ死神のサラトガと一緒に、幽霊に天国逝きを進める仕事をしている。
今回は没後二百年、庭園にいる地縛霊レイラ・フィオルドを迎えに来た。天国逝きをすすめるがレイラは断ってしまう。レイラを迎えに
来るといった、待ち人に会いたいからという。
バジルはレイラの願いを叶えると約束して…?

幸せに導いているようで、実は絶望に落とし込んでいたというオチが効いていて、二度読むと違った印象を与えてくれる作品。「死神だけど天使になりたい」というアンビバレンスな思いを抱えた死神のキャラが面白いです。死神バジルとサラトガの、本心を隠した軽妙なやりとりがここちよく、この二人のキャラに興味を抱かせてくれます。画力も高く、ページのめくりと引きの演出も上手いです。ただ、途中まで誰が主人公で、何をテーマにしたお話か分からずに進行するので、全体を通して「主人公がどういったクライマックス(感情)を得るのか?」を意識したストーリー作りをしてみて。また、絵のクセが強いので、男子キャラの輪郭・目鼻・髪型は要改善を。

第511回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+新人賞1万円+副賞

1位「年下の密かごと」茨城県・いちるの望(25歳)

投稿1回目

あらすじ

「この学校には忍者がいる」と信じている、忍者同好会の先輩。毎週火曜と
木曜放課後の一時間、忍者を探すために校内を一周している。
しかし同好会の後輩は、「忍者なんてまだ信じてるんですか?」とナマイキな口をきいてくる。
同好会ができて1年、忍者の生き残りがいると信じて疑わない先輩だが、実は後輩の正体は!?

「忍者がいるかどうか探す」のが目的の話ですが、すぐに冒頭で後輩=忍者であることが分かるため、
読者は主人公がいつ後輩の正体に気付くのかハラハラしながら読めるストーリー構成になっていました。
繊細な描線で描かれるキャラクターは生き生きとしていて、表情豊か。女子の絵柄は可愛く、
男子の絵柄は格好良く描き分けができています。また、画力が高く、カメラアングルも多彩。
男子の活躍シーンや女子の恋心が動くシーンなど、大きく見せるべきシーン(=読者が大きく
見たいシーン)を分かっていて、画面の演出力に長けています。
面白いアイディアを可愛い絵柄&高い画力&いきいきしたキャラ&続きの気になるストーリーで
まとめあげ、文句なしの1位。

第510回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「星のおくりもの」静岡・まなつ(20歳)

投稿2回目

あらすじ

「願いなんて叶う方が間違いだ」と4歳にして悟ってしまった主人公。そん
な彼を待ち伏せして、毎回話しかけてくる不思議な女の子に出会う。
あるとき七夕祭りの音が聞こえてくる。七夕を知らない彼女に
「お星さまに願いを叶えてもらうイベント」と教えると、彼女は「じゃあ君は私にお願い
ごとをするといい!」と言い!?

宇宙飛行士になりたい少年と、「星」となのる少女の出会いを物語にしようと考えたそのアイディアがすごい! 
不思議な少女を普通ではありえないほど長い髪にしたり、中盤で少女の恐ろしい本性を垣間見せたりなどして、
彼女が「人間ではない存在」であることに、うまく説得力を持たせています。
また、画面構成に高いセンスを感じる作品でした。二人だけで話している単調なシーンでも、カメラアングルが多彩で
飽きさせない演出ができています。お話は、最後まで少女の正体が謎のまま終わるので、やや消化不良感が。
また、なぜ主人公の元にやってきたのか?などにも理由が示されると良かったかも。
絵柄は男の子も女の子も可愛いので、ぜひこの方向で磨いて!

第509回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「面食い主人公は恋を知らない」神奈川・野澄那結多

投稿2回目

あらすじ

少女漫画みたいなイケメンとの恋に憧れていた上坂さん。ある日やってきた
転校生のイケメン・加賀くんに一目ぼれして、勢いで「好きです」と告白してしまう。すると
「初対面なのに好きとかありえないから」と冷たくあしらわれてしまう。酷い言い方に傷つく
上坂だが、やっぱり格好いい加賀くんを目で追ってしまい…?

十代の作者らしい、等身大の爽やかなラブストーリー。
上坂さんと加賀くんのやり取りがとても自然なテンションで描かれているので、
読み手がキャラの気持ちに入り込みやすいです。また、コマ割りと台詞運びがとてもスムーズで読み
やすくて◎。カメラアングルを駆使して、飽きさせない画面づくりが上手いです。絵柄も可愛くて好印象。
さらにストーリーは、冒頭で一目ぼれしていた主人公が、ラストでは「よく知らない人に告白されても
好きになれない」と気づく流れになっていて、オチがしっかりついていました。ただ、共感しやすいス
トーリーですが、目新しさがもう少しほしい印象。あなたにしか書けないセリフ、シーンを
一つでいいので追及してみて。

第508回 HMC まんが家コース 努力賞 賞金10万円+新人賞1万円+副賞

1位「雨上がりのワルツ」神奈川・宮沢京可(24歳)

投稿1回目

あらすじ

とある雨の日、下校しようとして傘を忘れたことに気づいた白石さん。そこにたまたま現れたクラスメイトの清田くんの傘に入れてもらう
が、大雨でびしょ濡れになり二人で雨宿りをすることに。初めて喋る清田くんに緊張する白石さんだったが、ふとしたきっかけで周りと
上手く話せないという自分の悩みを打ち明けて…?

少女漫画らしい可愛い絵柄がまず目を惹く作品。画力も高く、細かい小物や背景までしっかり描けていたのも〇。
また初対面の男女、しかも経過時間は数十分程度にも関わらずしっかりとキャラの気持ちの変化や山場が作れており、ネーム力
を感じました。嫌味が無く、素直に応援したくなるキャラが描けるのも強い武器になると思います。課題は引きの弱さ。雨が
上がるまでの少しの時間を切り取るというのは面白いのですが、それだけでは物足りません。ヒーローも優しいイケメンという
以上の印象が無く、キャラとして弱いです。基礎力は非常に高いので、次作以降は設定でもキャラでも、もう少し読者が興味を
持つような要素を入れるという事を意識してみて下さい。

第507回 HMC 花とゆめまんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「私の幽鬱な日常」熊本・ちどり(20歳)

投稿2回目

あらすじ

普通の人には見えない、いわゆる「幽霊」が見えてしまう高校一年生・倉田ゆかり。オカマ幽霊から猛烈アプローチを
かけられている友人・日高ショウも、もちろん“見えない”側の人間。そんなショウにある日突然告白されるが、自分に
霊感があることがバレたらどうせ彼も離れていってしまうと思い、すぐにОKできず…?

綺麗な絵柄と安定した画力が光る作品。背景もしっかり描けています。筋肉バカや露出狂、オカマなどの様々な
幽霊が出てくる冒頭も、お話への期待を高める引きになっていました。ただ、要素を詰め込みすぎてお話が散漫になっている
印象。サブであるはずのオカマ幽霊のエピソードにページを割きすぎています。ゆかりとショウはどういう関係で、なぜお互
いのことが好きなのかという部分を読者にしっかり伝えて欲しかった。また、ゆかりがこれまで「幽霊が見える」ことでどの
ような扱いを受けてきたかも描かれていないため、シュウが受け入れてくれたことの嬉しさも伝わってきません。短いページ
の作品の場合、動かすキャラクターは最小限に絞りましょう。

第506回 HMC 花とゆめまんが家コース 努力賞 賞金10万円+副賞

1位「魔法使いの禁忌」岐阜・天音豆太(27歳)

投稿5回目

あらすじ

メイクやコスメに詳しく、その腕前から「魔法使い」と呼ばれる有働くんは、自分の頭の中で思った通りの色が表現できないことに悩んでいた。そんな折、たまたま校内で見かけた美術部の三苫さんの絵の色遣いに惹きつけられ、彼女に弟子入りすることを決める。突然美術部にやってきた学校の有名人に戸惑う三苫さんは・・・?

題材もお話も、とても少女漫画らしいお話。有働くんにも三苫さんにもキャラ付けをしようとしているのは◎。また、最後の三苫さんの表情はとても良く描けていました。ただ「魔法使い」と呼ばれている有働くんが、実際に女の子を変身させたりメイクの勉強をしたりするシーンがほとんど無く、何がすごいのかがあまり伝わってきません。ラストで三苫さんを変身させているシーンも変化が分かりませんでした。彼のすごさを読者にしっかり見せた上で、せっかくならメイクやコスメの豆知識を入れ込む等すると説得力が出たはず。文字の説明だけでキャラを作らないように気を付けて。また総評にもありますが、予定調和になりすぎぬよう自分の個性を磨きましょう。